本書では、どうやって糸を操ればいいのかを解説する。具体的には、相手の思考に影響を与え、こちらの意図する考えを刷り込んでおくことだ。それをあとから指摘することで、相手の「心を読んで」いたということになる。
操り人形師になる方法を伝授しよう。説得術を7段階からなる時系列のプロセスにまとめた。だれかを説得して何かをしてもらおうと思ったら、本書で示す段階をそのとおりに踏んでいけば目的を達成することができる。本書のなかから好きな戦術を選び、それだけを使って説得を試みてもらうこともできなくはないが、このステップ・バイ・ステップの手引きに従っていれば、間違いなく正しい方向へと導かれていく。
このステップ・バイ・ステップの説得術は、各ステップの頭文字をつなげるとMETHODS(方法)となるようにできている。METHODSはこんな構成である。
【ステップ1】認識を形づくる(Mold Their Perception)
【ステップ2】行動と一致した態度を引き出す(Elicit Congruent Attitudes)
【ステップ3】社会的プレッシャーを与える(Trigger Social Pressure)
【ステップ4】メッセージを定着させる(Habituate Your Message)
【ステップ5】メッセージをもっとも効果的に提示する(Optimize Your Message)
【ステップ6】モチベーションをさらに高める(Drive Their Momentum)
【ステップ7】影響を持続させる(Sustain Their Compliance)
読心術の第一人者であり心理学研究者でもあり、マーケティングを学んだ経験もある著者は、膨大な数の学術文献を参照し、さまざまな実験によって証明された原理を用いて、自らのメソッドを構築した。つまり、これらの戦術には学術的な裏付けがある。
本書で紹介する戦術を有効に活用すれば、思考だけでなく、感情も、そして行動も、思いのままにコントロールできる。ただし、これらの戦術は非常に強力なため、けっして悪用しないこと。
序―本書の有効な活用法
ステップ1 認識を形づくる
1 思考モードをプライミングする
2 認識をアンカリングする
3 高い期待をもたせる
現実世界への応用1 家族旅行【第1話】
ステップ2 行動と一致した態度を引き出す
4 ボディランゲージをコントロールする
5 行動の整合性をつくりだす
現実世界への応用2 ユーチューブから本を買わせる
ステップ3 社会的プレッシャーを与える
6 社会的規範を強調する
7 似ているところをはっきりと示す
現実世界への応用3 売上を伸ばす
ステップ4 メッセージを定着させる
8 繰り返し触れさせる
9 否定的なメッセージを感じさせない
現実世界への応用4 家族旅行【第2話】
ステップ5 メッセージをもっとも効果的に提示する
10 相手の評価を変える
11 メッセージを調整する
現実世界への応用5 上司を感心させる
ステップ6 モチベーションをさらに高める
12 適切なインセンティブを提供する
13 制限することで動機づけする
現実世界への応用6 オンラインでTシャツを販売する
ステップ6 影響を持続させる
14 好ましい連想をつくりだす
現実世界への応用7 家族旅行【第3話】
終――まとめ
参考文献
ロバート・グリーン/ユースト・エルファーズ/鈴木主税 パンローリング
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エドワード・デ・ボーノ/川本英明 パンローリング
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