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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/09/10 14:04, 提供元: フィスコ

NSグループ Research Memo(4):安定的な収益成長を支える事業基盤と競争力

*14:04JST NSグループ Research Memo(4):安定的な収益成長を支える事業基盤と競争力
■事業概要

2. 収益構造
NSグループ<471A>の主な収益源は入居者が支払う保証料であり、フロー収益とストック収益の2つに分かれる。同社の収益構造は新規契約の積み上げでフロー収益を獲得し、その後の契約更新によりストック収益を継続的に積み上げていくモデルとなっている。

フロー収益の中心は、新規契約時に発生する新規保証料である。保証料は家賃を基準として設定されており、住居用では「家賃×50%」、事業用では「家賃×100%」が標準的な水準となる。したがって、フロー収益は「保証料単価」と「新規契約件数」によって決まる。全国の不動産会社から入居者を紹介してもらい、契約件数を積み上げることがフロー収益の拡大に直結する。ストック収益の中心は更新保証料である。保証契約は一定期間ごとに更新され、その際に更新保証料が発生する。住居用の場合は「10,000円/年」あるいは「800円/月」が標準的な水準であり、事業用では「家賃×10%/年」または「家賃×0.8%/月」が目安となる。ストック収益は「更新保証料の単価」と「更新契約件数」によって決まり、過去の契約の積み上がりがそのまま将来収益の基盤となる。新規契約が増えるほど更新契約も増えるため、契約残高の拡大に伴いストック収益も安定的に成長する構造となっている。2026年12月期中間期実績を見ると、フロー収益は46.6%、ストック収益は53.4%であり、契約の積み上がりにより安定的な収益基盤が形成されている。

費用面では、販売手数料や貸倒関連費用などが主な変動費であり、新規契約の獲得や保証履行に伴う費用が中心である。固定費は人件費や減価償却費などである。家賃保証ビジネスは契約残高が拡大するほどストック収益が積み上がるため、一定規模を超えると固定費比率が低下し、高い利益率を実現しやすい構造となっている。

3. 競合環境
家賃債務保証市場には複数の競合企業が存在する。住居用分野では全保連<5845>、イントラスト<7191>、ジェイリース<7187>、Casa<7196>など、事業用分野では店舗やオフィスのテナント保証に注力するフォーシーズ(株)が代表的な競合先として挙げられる。

もっとも、家賃債務保証業界では不動産管理会社の規模によって競争環境が大きく異なる。管理戸数が5,000戸を超える大手管理会社では自社で保証機能を持つケースが多く、外部の保証会社が入り込む余地は限られる。一方で、管理戸数が1,250戸から5,000戸程度の中堅管理会社では、(株)オリコフォレントインシュアや(株)エポスカードなどの信販系保証会社が主戦場としており、販売手数料を中心とした競争が激しい領域となっている。

これに対して同社は、管理戸数が比較的少ない中小規模の不動産管理会社との取引を長年にわたり積み重ねてきた。この領域では審査の柔軟さや日々の業務対応など、きめ細かなサービスが重視される傾向がある。その結果、信販系保証会社との直接的な競争は限定的であり、同社は独自のポジションを築いている。

同社の競争力を支える要素の1つは全国に広がる取扱店ネットワークである。大都市圏を中心として中核子会社の日本セーフティーが全国30拠点に営業体制を配置し、2026年6月末時点の協定不動産会社数は68,210店と業界最多の規模を有する。このネットワークは新規契約の獲得につながるだけでなく、不動産会社との日常的な連携を深めることで、審査や回収の運用にも好影響を与えている。

また、AIを活用した審査体制及び高い債権回収力も強みである。長年の事業運営で蓄積してきた滞納データや取引情報をもとにAIを活用した審査モデルを構築しており、「通過させるための審査」という考え方を採用している。入居者の信用情報だけで判断するのではなく、回収可能性を高めるための情報を幅広く収集することを重視している。緊急連絡先の取得や保証人情報の確認などにより回収体制を事前に整えることで、審査通過率を確保しながらリスク管理を行っている。同時に、蓄積された滞納データを活用し、入居者の滞納状況を複数の段階に分類したうえで状況に応じた回収対応を行う体制を整えている。経験豊富な回収チームと分業化されたオペレーションを組み合わせることで、回収率は96.5%(2025年12月期通期実績)と高い水準を維持している。審査段階で回収を見据えた情報を確保し、実際の回収業務でもデータを活用した対応を行うことで、審査通過率と高い回収率の両立を実現している。

このように同社の競争力の源泉は、中小規模の不動産管理会社を主な顧客とする独自のポジショニング、全国規模の営業ネットワーク、審査及び債権回収のオペレーション力にある。いずれも長年の事業運営のなかで蓄積してきた取引関係、データ、実務ノウハウなどにより築かれたものであり、短期間で構築できるものではない。独自の顧客基盤と運用力を背景として、同社は今後も家賃債務保証市場において安定した競争優位を維持する可能性が高いと弊社は考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



《HN》

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