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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/07/07 12:06, 提供元: フィスコ 冨士ダイス Research Memo(6):中期経営計画の目標を修正したものの、重点施策は着実に進捗(2)*12:06JST 冨士ダイス Research Memo(6):中期経営計画の目標を修正したものの、重点施策は着実に進捗(2)■冨士ダイス<6167>の中期経営計画 2. 重点施策の概要と進捗状況の続き (3) 海外事業の飛躍 「海外事業の飛躍」は、中期経営計画において最も成長性の高いテーマであり、2027年3月期に海外売上比率を25%以上に引き上げる目標を掲げている。これまでの施策により2026年3月期の海外売上比率は22.7%と、2025年3月期の19.5%から3.2ポイント上昇するなど、目標である25%以上に向けて着実に進捗している。 中国では、深での展示会出展を通じて知名度向上を図ることで新規顧客の獲得に成功、2026年3月期は光学機器関連は車載及びスマホ向けが堅調なうえ、監視カメラ向け需要の回復もあり好調に推移した。しかし、中国市場では現地メーカーとの価格競争激化のほか、原料調達を含めて事業リスクも高い。そのため同社は、付加価値製品の販売による売上拡大を目指し、市場深耕を進めている。 ASEAN地域では、マレーシアにおいて半導体関連需要が低調であるものの、地域横断で他業種・日系企業以外への販路開拓を推進している。タイ及びインドネシアにおいて輸送機器需要が弱含む一方、インドネシアにおいては欧米系・現地法人向けに電池関連を拡販するなど、販売拡大に向けた取り組みが続いている。今後の取り組みとして、タイでは他業種への拡販のために生産設備を増強、インドネシアでは第2の都市スラバヤでの営業活動を強化、マレーシアでは輸送機器関連を中心に新規顧客を開拓する予定である。インドでは、休眠していた現地子会社の事業再開プロジェクトを2025年7月に立ち上げ、展示会への出展を通じた市場調査や拡販活動を推進してきた。その後、2026年4月1日付で現地エージェントとの契約を締結し、現在はデリーとベンガルールを中心に営業を開始している。 北米では、新規市場の獲得を目的とした市場調査を継続しつつ、従来の自前主義からの脱却を掲げ、新たなビジネスモデルの検討に着手している。 (4) 脱炭素・循環型社会への貢献 「脱炭素・循環型社会への貢献」は、省資源、次世代エネルギー、次世代光通信といった成長分野に対し、脱炭素・循環型社会の形成に貢献する製品を開発し市場投入する施策である。 2025年10月、同社はレアメタル使用量を9割削減した新合金「サステロイ STN30」の販売を開始した。これは、2023年3月に開発・販売した「サステロイ ST60」の材料設計を根本から見直し、より耐摩耗性を向上したもので、鋼と同程度の軽さと超硬合金並みの耐摩耗性を両立する戦略製品である。販売開始当初は、こうした特長を生かし、耐摩耗性が求められる一方で重量のある超硬合金の使用が難しい回転工具や混錬工具などの分野での採用を見込んでいた。しかし、中国による重要鉱物の輸出規制によりタングステンの供給が不安定となるなか、「サステロイ STN30」は超硬合金の代替材料として活用できる可能性が高まっている。同社はこうした事業環境の変化を成長機会と捉え、「サステロイ」シリーズのラインアップ拡充を進めることで、新たな需要の取り込みと市場開拓を図る。 次世代エネルギー分野では、グリーン水素製造の消費電力を削減する触媒入り電極(Powder Metallurgy Electrode:PME)が、モノづくり日本会議/日刊工業新聞社主催の「2025年“超”モノづくり部品大賞」において「生活・社会課題ソリューション関連部品賞」を受賞した。「PME」は、従来の電極に対し、消費電力を1割〜2割削減できる見込みであり、カーボンニュートラルの実現への貢献が期待されている。現在は顧客による評価が進行中で、2027年の市場投入を目指している。 また、次世代光通信分野では、素材開発力と加工技術力を生かして、データセンターに使われる光通信用コネクター金型などの電子部品向けの金型の開発に取り組んでいる。2026年3月期より販売を開始し、さらに高精度な製品の開発に取り組んでいる。 このほか、コア技術である粉末冶金技術と超精密加工技術を軸に成長分野に向けた新製品開発が進んでいる。 (5) 新規事業の確立 「新規事業の確立」は、新たな収益の柱を育成し100年企業を実現するための施策となる。2024年7月に「新規事業組織」を設置し、新事業シーズの探索と事業化検討の本格的な体制を整備した。新規事業立ち上げのスピードアップを図るため、同社はM&Aや業務提携の実施も有力な手段として視野に入れている。具体的な進捗としては、超硬工具・金型のリサイクル事業において、2025年10月よりモデル地域での試験的な回収を開始後、対象地域を全国に拡大して積極的に回収活動を実施し、顧客網を活用した超硬耐摩耗工具・金型の国内循環型リサイクルの確立を進めている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治) 《HN》 記事一覧 |