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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/19 12:05, 提供元: フィスコ

イノベーション Research Memo(5):SaaS市場・IFA市場ともに中長期的な拡大余地は大きい

*12:05JST イノベーション Research Memo(5):SaaS市場・IFA市場ともに中長期的な拡大余地は大きい
■イノベーション<3970>の市場環境

1. オンラインメディア事業
同社資料によれば、国内企業におけるDXの取り組みは着実に進展しているものの、完了に至った企業は全体の12%にとどまっている。一方で、DXへの取り組みを開始している企業は全体の71%に上っており、多くの企業が変革プロセスの途上にある状況である。さらに、DXに取り組んでいる企業のうち68%が一定の成果を認識しているものの、十分な成果を出す余地がある企業は全体の約90%に及ぶ。すなわち、DX関連ソリューションに対する情報収集ニーズ及び比較検討ニーズは今後も継続的に発生する構造にあり、オンラインメディア事業にとって開拓余地の大きい市場環境が維持されていると評価できる。

国内DX市場においては、2021年度の2.7兆円が2030年度には約2.4倍の6.5兆円、SaaS市場についても2021年の9,000億円が2026年には1兆9,000億円まで拡大することが予想されている。さらに、オンプレミス型から、導入時や導入後の保守コストの低減が可能なサブスクリプション型のメリットを背景に、ユーザーの利便性をねらった様々な新たなSaaSプロダクトの開発が今後も進むと見られることから、顧客にとって最適な製品を選択するためのオンラインメディアの果たす役割はますます重要となるだろう。

「ITトレンド」はコロナ禍を契機に伸長した約2,000万近い来訪者数を背景に、IT分野に特化したプラットフォーマーとして高い認知度を確立している。加えて、日経BP社との協業を通じた日経グループとの連携により、トラフィック拡大の導線を強化しており、メディア価値のさらなる向上を図っている。信頼性の高いメディアとの連携は、集客基盤の提供にとどまらず、広告主に対する訴求力向上にも寄与する。

今後の見通しについても、DX推進に伴う企業のIT投資意欲は底堅く、IT商材提供側の成長率も高く予測されていることから、需給双方が拡大する好循環にある。この環境下で、同社はリードジェネレーション市場におけるシェア拡大を「ITトレンド」「ITトレンドEXPO」を通じて推進する。同時に「bizplay」等を活用し、従来の獲得型広告以外のIT企業広告宣伝市場においても新規シェア獲得もねらう。

2. ITソリューション事業
国内SaaS市場は拡大基調が継続しており、TAM(最大獲得可能市場)は1兆891億円規模に達する巨大市場へと成長している。このうち、同社が主戦場とする国内営業・マーケティング関連ソフトウェア市場(SAM)は4,000億円、さらにその中核である国内MAツール市場(SOM)は600億円と推計される。同社は、成長余地の大きいSaaS市場のなかでも、特に伸長しているデジタルマーケティング領域にポジションを構築している。

こうした市場環境下において、同社はユーザーニーズに即した製品開発・ラインナップ拡充を基本方針としている。「ITトレンド」に蓄積された検索・資料請求データを活用し、需要の高い領域を分析・選定することで、市場全体の拡大という外部環境に依存するのではなく、自社データという内部資産を競争優位の源泉とし、確度の高いプロダクト拡張を志向している。

また、成長戦略の中核にはカスタマーサクセスの高度化を据えている。SaaSビジネスにおいては、新規顧客の獲得に加え、既存顧客の継続利用とアップセルが収益性を左右するため、解約社数の抑制と契約社数の維持・拡大が重要である。同社はカスタマーサクセスの品質向上に注力し、LTV最大化を図り、安定的なストック収益基盤の構築を図る。

3. 金融プラットフォーム事業
米国ではIFAが広く普及しており、2020年時点で日本の約32倍に達している。これは日本市場における成長余地の大きさを示す指標であり、国内においても金融機関所属アドバイザーがIFAへシフトする動きが進展していることから、市場成長は今後さらに加速すると考えられる。同社の預かり資産も着実に伸長している。

また、M&A市場も安定的な拡大基調を維持している。2024年の日本におけるM&A件数は4,700件と過去最多を記録し、前年の4,015件から17.1%増加した。事業承継ニーズの高まりや中小企業の後継者不足、業界再編の進行を背景にM&Aは構造的な成長市場となっており、今後も一定水準以上の件数推移が見込まれる。

一方で、証券業界及びM&A業界は、対面営業を中心とした従来型の営業手法が依然として主流であり、データ活用やデジタルマーケティングの導入は限定的である。このような営業手法のレガシー構造は、生産性向上や顧客基盤拡大の観点から大きな改善余地を残している。

同社は20年以上にわたるデジタルセールスのノウハウを持ち、オンラインチャネルの活用やデータドリブンな営業体制の構築を通じて、証券業界及びM&A業界における営業モデルの高度化を推進している。金融プラットフォーム事業は、IFA市場の拡大とM&A市場の成長という追い風を受けながら、業界のDXを加速させるポジションにある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)


《HN》

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