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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/12/24 11:21, 提供元: フィスコ

Jオイル Research Memo(1):2026年3月期はミールバリュー下落で苦戦も、2027年3月期は業績改善へ

*11:21JST Jオイル Research Memo(1):2026年3月期はミールバリュー下落で苦戦も、2027年3月期は業績改善へ
■要約

J-オイルミルズ<2613>は油脂メーカー大手で、油脂事業で家庭用油脂、業務用油脂、ミールの製造・加工・販売を行い、スペシャリティフード事業では乳系PBF部門で業務用マーガリン、食品素材部門で大豆機能性素材などの製造・加工・販売を行っている。(株)ホーネンコーポレーション、味の素製油(株)、吉原製油(株)の統合した3社が培ったノウハウや技術に加え、3社融合の強みを基盤としている。

1. 同社の強み
同社の強みの源泉は、統合した3社がそれぞれ持っていた強みとそのシナジーにある。もともと味の素製油は油脂のおいしさの研究、ホーネンコーポレーションは原料を使い切る取り組み、吉原製油は油種のバラエティに強みがあった。こうした3社の強みを掛け合わせることで、広範な商品カテゴリーの確立といった同社の特徴を形作ってきた。近年、3社が統合から融合へとステージを引き上げたことで、1つの会社として、「あぶら」「スターチ」などおいしさをデザインするために必要となる様々な素材、長持ち機能など顧客の課題解決につなげる技術力、さらにコンビニや外食などの大手業務用需要家から、日本全国の一般飲食店まで幅広い顧客接点を強みとする体制へと進化した。

2. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の業績は、売上高112,246百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益2,516百万円(同53.8%減)となった。油脂事業では、業務用油脂の販売がインバウンド需要の拡大などを背景に堅調に推移した一方、家庭用油脂は物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりから減収となった。利益面では、米国におけるバイオ燃料需要拡大によりミールバリューが歴史的低水準となり、インフラコストなどの高止まりもあって、油脂の価格改定(2025年5月、9月、2026年1月予定)や高付加価値品の拡販などにより収益改善に努めたが、油脂事業全体で大幅な減益となった。スペシャリティフード事業は、家庭用マーガリンからの撤退など構造改革により減収となったものの、構造改革に加え価格改定の浸透や機能性スターチに特化した食品素材の販売強化などにより増益となった。

3. 2026年3月期の業績予想
2026年3月期業績予想について、同社は売上高226,000百万円(前期比2.1%減)、営業利益5,000百万円(同41.7%減)と見込んでいる。通期業績予想は中間業績が厳しかったため、期初業績予想に対して売上高で14,000百万円、営業利益で4,000百万円下方修正した。下方修正の要因は、ミール価格が想定以上に下落したことにある。これをカバーするため、油脂製品の価格改定を2025年に2回実施したものの、価格に反映されるまでタイムラグが生じることから、2026年3月期におけるコスト増加分の完全な吸収は困難な見通しである。ミール価格下落が一巡する2027年3月期は、2026年1月より実施する3回目の価格改定に加え、製品ラインナップの選択と集中による収益性の向上など短期的な業績対応を実行することで、油脂事業の収益は大きく回復すると考えられる。スペシャリティフード事業については、引き続き増益が想定されている。

■Key Points
・2026年3月期中間期はミール価格下落や価格改定遅れにより、減収減益
・2026年3月期は減収減益の見込み
・収益回復に向けて価格対応を中心とした収益性改善策の強化
・油脂事業は、2027年3月期に収益改善を見込む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《MY》

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