トレーダーズショップ
トップかごを見るご注文状況このページのPC版


フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/12/22 12:05, 提供元: フィスコ

オプティム Research Memo(5):DX×AIで広がる事業展開と成長を支える独自戦略

*12:05JST オプティム Research Memo(5):DX×AIで広がる事業展開と成長を支える独自戦略
■オプティム<3694>の事業概要

d) オフィスDX
人手不足の解消や働き方改革が課題となるオフィス環境において、様々な文書管理に関する業務を同社が得意とするAIを活用することで効率よく、正確に処理することを可能にするサービスを提供する。代表例であるAI契約書管理サービス「OPTiM Contract」では、書類の検索、期限の管理などでAI技術が活躍する。また、AI取引情報(帳票)管理サービス「OPTiM電子帳簿保存」は、2023年12月に猶予期間が終了した電子帳簿保存法の要件に則り請求書・領収書・注文書などの取引情報の保管をAIを活用して効率化するサービスである。直近では生成AIを活用したAIサービスの展開を加速しており、わずか5分で作成可能なAIエージェント型チャットボット「OPTiM AIRES(アイレス)」、AIで社内のあらゆる業務マニュアルを自動管理できる「OPTiM Collaboration Portal」などが続々とサービス開始されている。オフィスDX分野は、大企業から中小企業まで、業種・業態を問わずに需要があり、推定市場規模を4,222億円と推定している。

e) マーケティングDX
スマホの浸透やコロナ禍などを経て、顧客接点のデジタル化は加速している。同社では、企業や団体が顧客接点をデジタル化し、マーケティング施策を最適化・効率化するためのクラウドサービス、スマートフォンアプリの提供を行っている。この分野では、2020年にM&Aした子会社(株)ユラスコアのCRMツールをベースに展開する。事例としては、飲食業における来店時の注文や来店時以外の販促活動、地方自治体における住民へのコミュニケーション、大型スタジアムにおける利用者ツールなどがある。特に、自治体の提供するあらゆるアプリをまとめる自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム「自治体公式スーパーアプリ」は佐賀市を皮切りに、田川市・宗像市(福岡県)、武雄市(佐賀県)など続々と採用が増えている。同社では、この分野の潜在市場規模を3,600億円と推定している。

f) 映像管理DX
様々な産業で人手不足が深刻な課題となるなか、防犯カメラなどの分析を人間に変わりAIで実施することが期待されている。同社は、2018年に戦略商品「OPTiM AI Camera」及び派生サービスをリリースし、AIを用いた画像解析のデファクトスタンダードを目指している。「OPTiM AI Camera」は、既設の監視カメラを活用し、クラウド上で画像解析を行うサービスで、画像解析のための専用ハードウェア導入が不要なため、手軽に導入できる。「OPTiM AI Camera Enterprise」は、店舗や施設など業界別・利用目的別に設置された様々な種類のカメラからデータを収集し、学習済みモデルを活用して画像解析を行うことでマーケティング、セキュリティ、業務効率などの領域を支援するサービスである。「OPTiM AI Camera Enterprise」では「OPTiM Edge」などの専用ハードウェアを設置し、ネットワークカメラにて取得された画像を解析することで、高速かつ高度なAI画像解析が可能となる。最近では様々な業種での利用事例が増えており、「ダムの遮水壁点検業務の高度化・効率化」「車両検知による駐車場の混雑状況可視化」「観光スポットの滞在人数把握(感染拡大防止対策)」などが公表されている。2024年10月には、世界初となる撮りためた映像データをAIがあらゆる手法で解析するサービス「OPTiM AI Camera Analytics」を発表した。同社では、この分野の潜在市場規模を7,562億円と推定している。

3. 同社の強み
同社は、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを多数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。なお、同社の強みは、1) 豊富な技術的発想力、2) 高度な技術力、3) サービス企画・開発・運用力、4) 強固なストック収益、5) 豊富な顧客基盤、6) 事業創造力、の6点に整理することができる。

4. 知財戦略
同社は、設立当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、知財を獲得し保有する戦略を推進してきた。一例を挙げると、2011年に日米で特許取得された通称「Tiger」は、デバイスの特定精度を飛躍的に向上させる検知技術として傑出したものである。また、2018年に特許取得した「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」は、令和元年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を、2018年に特許取得した「契約書AI解析・管理システム」は、令和3年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した。このほか、「OPTiM Cloud IoT OS」は、あらかじめ定めた条件に基づき、最適なAIやAPIを自動選択するプログラム(登録番号JP6404529)、建設における測量を効率化する「OPTiM Geo Scan」は、位置情報と3次元点群データを自動連係し、高精度3次元測量を簡単に実現するプログラム(登録番号JP6928217)、「OPTiM Digital Marketing」は、カメラ画像をAIが解析し、空席率に応じた割引率のクーポンを提供するプログラム(登録番号JP6246446)など、キラーサービスは知財で保護されている。2025年3月時点の同社の特許出願数は1,171件、登録数は569件に達する。これらの知財は、新規事業分野での参入障壁を構築するだけでなく、大企業が安心して同社と提携関係を構築できるメリットもある。

5. 販売・チャネル戦略
同社は、販売・チャネルにおいても強固な基盤を保持している。累計18万社以上のサービス利用者を開拓してきたのは、主にパートナー企業である。大手通信キャリア、複合機メーカー、ISP、SIer、携帯販売会社など、いずれも多くの顧客企業を抱えており、全国的な販売網が確立されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)


《HN》

記事一覧

  • 2025/12/23 20:05:欧州為替:ユーロ・ドルは1.1800ドルまで強含み
  • 2025/12/23 19:01:ティーケーピー---さっぽろ駅直結の貸会議室・シェアオフィス「TKP fabbit札幌駅南口」を開業
  • 2025/12/23 18:59:FCE---エイチ・アイ・エスと顧客紹介代理店契約を締結
  • 2025/12/23 18:54:And Doホールディングス---リフォーム事業譲渡(連結子会社の異動)を発表
  • 2025/12/23 18:51:サイバートラスト---キヤノンMJと企業間取引における電子文書の安全性と信頼性の強化に向け協業を開始
  • 2025/12/23 18:49:サイバートラスト---おきでんCplusCと「やさしいみまもり」での事業協力
  • 2025/12/23 18:45:23日の香港市場概況:ハンセン指数は5日ぶり小反落、連休前のポジション調整が優勢
  • 2025/12/23 18:37:23日の中国本土市場概況:上海総合は5日続伸、世界的な年末商いの薄さで上値重い
  • 2025/12/23 18:15:日経平均テクニカル:小幅に3日続伸、短期GC形成を窺う
  • 2025/12/23 17:47:NY金は4400ドルを超えて、最高値更新 サンワード証券の陳氏
  • 2025/12/23 17:25:欧米為替見通し: ドル・円は弱含みか、米景気減速懸念と円の買戻しで
  • 2025/12/23 17:14:東京為替:ドル・円は軟調、下押し圧力継続
  • 2025/12/23 16:56:日経平均寄与度ランキング(大引け)〜日経平均は小幅に3日続伸、TDKやソニーGが2銘柄で約37円分押し上げ
  • 2025/12/23 16:41:東証グロ−ス指数は大幅反発、買い一巡後も下値の堅い展開
  • 2025/12/23 16:35:市場参加者が限られるなかでこう着感強まる【クロージング】
  • 2025/12/23 16:35:日経VI:大幅に低下、株価の下値堅く警戒感が後退
  • 2025/12/23 16:30:東証グロース市場250指数先物概況:プライム市場のAI・半導体が売られグロース市場に資金流入
  • 2025/12/23 16:25:東京為替:ドル・円は下げ渋り、ドルに買戻し
  • 2025/12/23 16:20:日経平均は小幅続伸、5万円台で堅調も円高が重石
  • 2025/12/23 16:16:12月23日本国債市場:債券先物は132円85銭で取引終了