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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/12 13:03,
提供元: フィスコ
室町ケミカル Research Memo(3):医薬品事業と化学品事業は商社・製造機能を持ち合わせていることが特徴
*13:03JST 室町ケミカル Research Memo(3):医薬品事業と化学品事業は商社・製造機能を持ち合わせていることが特徴
■会社概要
2. 事業内容
室町ケミカル<4885>は医薬品事業、化学品事業、健康食品事業の3つの事業を展開している。2021年5月期以降の事業別売上構成比は医薬品事業が約5割と最も高く、次いで化学品事業が3割強、健康食品事業が1割強で推移している。営業利益率では医薬品事業が10%台で安定して推移しているのに対して、化学品事業と健康食品事業はほぼ水面下で推移しており、利益ベースでは医薬品事業に依存する状態が続いている。製造拠点は、本社工場(福岡県大牟田市)とつくば工場(茨城県下妻市)があり、2025年5月末時点の従業員数は203名となっている。
(1) 医薬品事業
医薬品事業では、メーカー機能と商社機能を併せ持ち、主に医療用医薬品※の有効成分である原薬に関わる様々なサービス(輸入・製造・加工・分析)を提供している。2025年5月期の売上構成比は原薬の輸入販売で55%、医薬品合成・精製などで37%、その他で8%となっている。
※ 病院で医師の診断をもとに処方してもらう医薬品。
輸入については、欧州や中国メーカーなどから15品目前後の原薬を仕入れており、なかでも抗てんかん薬や抗ヘルペスウイルス薬の原薬が主力商品となっている。また、自社製造品については本社工場で原薬を合成するほか、異物除去や精製などの加工にも対応しており、現在15品目前後を製造販売している。主要製品は腎不全に伴う高カリウム血症改善薬用原薬で、自社製造品の売上の5〜6割を占めている。自社製造プロセスは、化学品事業で培った分離・精製技術を活用することで効率化・高品質化を実現している。販売先は、国内の製薬企業または商社となり、主に後発医薬品向けに販売している(大手3社とはすべて取引実績あり)。その他の売上高には、主に医薬品や農薬の研究で使用されるラジオアイソトープ※標識化合物の輸入販売が含まれる。
※ 放射性同位元素。放射線を出す性質のある元素で、化合物の追跡や分析に使用される。
ビジネスの流れとしては、顧客(製薬企業)の新薬の開発段階で治験薬用原薬の合成から受注するケースと、上市済みの医薬品に対して製薬企業がコスト低減や調達リスクへの対応を図るため原薬の調達先を追加する際に受注するケースがあるが、売上高の大半は後者のケースである。ここ最近は輸入原薬のコストが上昇するなかで、顧客からの開発依頼が増加傾向にある。なお、輸入については外貨建て取引となるが、為替変動が生じた際には一定の条件で価格調整を行う販売契約となっているケースが多い。
(2) 化学品事業
化学品事業では、液体の分離精製工程などで用いられるイオン交換樹脂及び分離膜の仕入・加工販売や、これらの製品を組み込んだ水処理装置の設計・製造・施工(製造は外注)のほか、受託加工ビジネスやその他産業用資材の仕入販売を行っている。2025年5月期の売上構成比は、イオン交換樹脂・分離膜で56%、水処理装置で0.5%、受託加工ビジネスで27%、その他17%となっている。
同社は、イオン交換樹脂や分離膜を世界中のメーカーから仕入れ、直接販売しているほか、顧客ニーズに応じて二次加工を施したうえで販売している。単なる仕入れ販売にとどまらず、顧客ごとに最適な提案ができる技術力とノウハウを持ち合わせていることが同社の強みだ。顧客が求める液体処理を実現するため、社内で試験・分析を行い、数多くのイオン交換樹脂や分離膜の中から最適な処理方法を検討し提案を行うほか、必要に応じて海外メーカーと協力して新たな製品の開発も行う。また、イオン交換樹脂や分離膜を組み込んだ水処理装置の設計にも対応している。使用によって性能が低下したイオン交換樹脂等を回収し、自社工場で再生処理した後に再販するエコサイクルビジネスも確立しており、幅広いサービスを通じて水処理分野におけるトータルソリューションを提供している。顧客はメーカーや商社であるが、業界別では半導体関連業界(製造装置・材料メーカー等)が比較的多く、大手企業が手掛けていない排水処理や薬品の精製など特殊用途向けの市場で主に事業展開している。
受託加工ビジネスは、顧客から預かった溶液の精製処理のほか、ディーゼルエンジン車の排気ガスを浄化する尿素水「AdBlue(R)」の製造、機能性接着剤(導電性、速乾性、紫外線硬化などの機能を持つ)の混合・分散、リパック加工などが含まれる。その他の仕入販売商材としては、水処理に使用される消耗品(活性炭・フィルターなど)や試験用部材のほか、工業用アロンアルフア(R)、帯電防止フィルムなどの産業用資材が含まれる。
(3) 健康食品事業
健康食品事業では、美容や健康をテーマとしたスティックゼリータイプなどの健康食品の企画・製造を行っており、通信販売会社や食品メーカーなどから受託して製造するOEMまたはODM※が売上の8割程度を占めている。
※ ODM(Original Design Manufacturing)とは、顧客先のブランドで商品の企画・設計、製造までを行うビジネス形態。OEM(Original Equipment Manufacturing)は製造のみ行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
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