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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/03 13:01, 提供元: フィスコ ダイナパック Research Memo(1):M&A戦略により海外事業を成長エンジンとし収益拡大を目指す*13:01JST ダイナパック Research Memo(1):M&A戦略により海外事業を成長エンジンとし収益拡大を目指す■要約 ダイナパック<3947>は、2005年に大日本紙業(株)と日本ハイパック(株)が合併して誕生した段ボールメーカーで専業では国内2番手。M&Aに積極的で2024年3月にベトナムの軟包装材メーカー、Vietnam TKT Plastic Packaging Joint Stock Company(以下、TKT)を子会社化したのに続き、2025年8月には段ボールメーカーのHoang Hai Vietnam Packaging Joint Stock Company(以下、Hoang Hai)を子会社化し、海外事業の一段の拡大を目指している(2024年12月期の海外売上比率は約21%)。 1. 2025年12月期中間期の業績概要 2025年12月期中間期(2025年1月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比6.4%増の31,594百万円、営業利益で同79.8%増の1,417百万円となった。中間期として売上高は5期連続の増収、営業利益は3期連続の増益となり、過去最高を更新した。売上高は国内が販売数量の増加(同1.3%増)と価格改定効果により堅調に推移したほか、海外事業も前第1四半期末に連結化したTKTの売上がフルに寄与したことなどにより同18%増と伸長した。利益面では、物流費や人件費が増加したものの、生産数量増による増益効果、価格改定効果に加えて、生産性の向上やM&A費用が減少したことなどが増益要因となった。 2. 2025年12月期の業績見通し 2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比5.5%増の66,000百万円、営業利益で同69.2%増の2,900百万円と2期ぶりに過去最高業績更新を見込む。第1四半期決算発表時点で期初計画(売上高65,000百万円、営業利益2,700百万円)から上方修正したが、第4四半期にHoang Hai※を新規連結することで売上高は若干上回る見通しだ。一方、営業利益はM&A費用やのれん償却等の計上を考えれば若干マイナスとなる可能性があるが、中間期の上振れ分で相殺できるものと予想される。主要原紙メーカーが2025年10月からの値上げを発表しているほか、米国の関税政策が消費動向に与える影響など先行き不透明感が強いものの、数量増加や価格改定、生産性向上等に取り組むことで計画達成を目指す。 ※ 2024年12月期の業績は売上高で約5,115百万円、営業利益で約524百万円。 3. 成長戦略 2024年12月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「既存事業の強化」と「成長分野の取り込みと創出」を推進することで、2026年12月期に売上高700億円、営業利益30億円を目標に掲げていた。2025年12月期の決算予想にはHoang Haiの子会社化による影響は含まれていないが、2025年12月期決算発表時に、子会社化の影響も含めた2026年12月期業績予想を発表する予定だ。利益最大化に向けて商品・顧客ポートフォリオの組み替えや原価率低減施策に取り組み、既存事業の収益力を強化するほか、海外事業を積極展開していく方針だ。特に、M&Aで2社を子会社化したベトナムは2026年12月期に売上高で150億円を上回る規模になると見られ、今後の成長エンジンになるものと期待される。 4. 株主還元策 同社は安定配当を基本として、業績状況に見合った配当の実施を基本方針としている。2025年12月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配の80.0円と3期連続の増配を予定している。同社は2026年12月期までの3年間で最大25億円の株主還元を実施する計画であり増配余力は残っている。 ■Key Points ・2025年12月期中間期は売上高、営業利益、経常利益で過去最高更新 ・2025年12月期は価格改定効果と生産量の増加、生産性向上、TKTの通年寄与で大幅増益見通し ・M&Aで海外事業を拡大、2026年12月期の売上高は700億円超へ ・3年間で成長投資に200億円、株主還元に25億円を充当 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |