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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/03 13:33, 提供元: フィスコ ムサシ Research Memo(3):2025年3月期は衆議院選挙の影響で営業利益は211.4%増*13:33JST ムサシ Research Memo(3):2025年3月期は衆議院選挙の影響で営業利益は211.4%増■ムサシ<7521>の業績動向 1. 2025年3月期の業績概要 2025年3月期の業績は、売上高37,391百万円(前期比12.8%増)、営業利益3,354百万円(同211.4%増)、経常利益4,738百万円(同321.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,432百万円(同347.0%増)となった。 売上総利益率は28.6%となり前期比で4.2ポイント上昇したが、これは期間中に衆議院選挙が行われ、収益性の高い選挙システム機材の売上比率が上昇したことによる。このため、増収と合わせて売上総利益は同32.0%増の10,677百万円となった。一方で販管費は、経費を抑制したことなどから同4.5%増にとどまり、営業利益は前期比で大幅増益となった。加えて経常利益は、持分法適用会社が有形固定資産を売却し、営業外収益(持分法による投資利益)1,276百万円を計上したことで一層の大幅増益となった。 設備投資額(有形固定資産及び無形固定資産)は242百万円(前期は438百万円)、減価償却費は395百万円(同395百万円)、研究開発費は532百万円(同353百万円)であった。 注力している文書のデジタル化事業の売上高は、大口案件が一服したことで5,118百万円(同0.8%減)と前期比で微減となったが、依然として高水準を維持している。もう1つの注力商品である「ミクロフィルター」の売上高は、半導体業界向けを中心に堅調に推移して732百万円(同23.4%増)となった。 2. 2025年3月期のセグメント別状況 セグメント別(連結ベース)及びサブセグメント別(単体ベース)の状況は以下のとおりであった。 (1) 情報・印刷・産業システム機材セグメント セグメント売上高は18,786百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は830百万円(同53.4%増)となった。減収ながら利益率の高い製品の比率が上がったことから増益となった。 a) 情報・産業システム機材 情報・産業システム機材の売上高(単体ベース)は、8,603百万円(前期比9.5%増)となった。業務用ろ過フィルターは半導体や精密機器向けの販売が好調に推移したほか、飲料向けも堅調であった。工業検査機器の販売は点検業務の需要を取り込み、順調に推移した。文書のデジタル化事業は、大口案件が一服となったことから微減収となったが、おおむね順調に推移していると言える。 注目商品の売上高は以下のとおりであった。 文書のデジタル化事業の売上高:5,118百万円(前期比39百万円減、同0.8%減) 「ミクロフィルター」の売上高:732百万円(同139百万円増、同23.4%増) b) 印刷システム機材 印刷システム機材の売上高(単体ベース)は、7,572百万円(前期比9.6%減)となった。印刷機器は、多目的インクジェットプリンターやデジタルダイカッターの販売が堅調に推移したが、印刷材料の販売は低調であった。 (2) 金融汎用・選挙システム機材セグメント セグメント売上高は、9,409百万円(前期比101.3%増)、セグメント利益は2,129百万円(同11.4倍)となった。 a) 選挙システム機材 選挙システム機材の売上高(単体ベース)は7,189百万円(前期比179.5%増)となった。衆議院選挙や全国の地方選挙向けの投票用紙交付機や読取分類幾などの販売が伸びた。加えて投開票管理システムの販売やサポート業務の受注も堅調であった。 b) 金融汎用システム機材 金融汎用システム機材の売上高(単体ベース)は2,136百万円(前期比11.1%増)となった。金融機関向けの新紙幣発行の需要が継続したことに加え、金融機関の集中部門向けシステム機器の販売が好調であった。 (3) 紙・紙加工品セグメント セグメント売上高は8,895百万円(前期比3.5%減)、セグメント利益は176百万円(同6.9%減)となった。医薬品や化粧品向け紙器用板紙などの販売は順調に推移したが、印刷用紙や情報用紙の販売が低調に推移したことから減収となり、利益も減少した。 (4) 不動産賃貸・リース事業等セグメント おおむね順調に推移し、セグメント売上高は299百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益は215百万円(同38.7%増)となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》 記事一覧 |