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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/10/05 12:10, 提供元: フィスコ

クオルテック Research Memo(10):新規事業として「評価装置メーカーへの進化」など3軸で新フィールドに挑戦

*12:10JST クオルテック Research Memo(10):新規事業として「評価装置メーカーへの進化」など3軸で新フィールドに挑戦
■クオルテック<9165>の成長戦略

(3) 新規事業
新規事業として「評価装置メーカーへの進化」「AIのフル活用による経営進化」「先端半導体パッケージに向けた新技術の開発」の3つの軸を設定し、これらの新たなフィールドに挑戦する。

a) 評価装置メーカーへの進化
信頼性評価事業で培った豊富な受託評価に関する知見や受託試験において使用する試験機や測定器に関するノウハウ、及びパワー半導体試験機に関する特許登録件数を今後の事業拡大に向けて活用するべく、新たに評価装置事業に参入する。パワー半導体市場は電動車やAIデータセンター向け等の需要拡大が期待されており、自社で培ったパワー半導体に関する受託試験の受注だけでなく、試験機の販売を含めた総合的なソリューション提供を図っていく。先端半導体分野においては新たな技術が普及するにつれて、当該技術を活用したアイテム向けの試験だけでなく、新たな試験に対応する試験機や測定器が必要となる場合が多い。また試験機や測定器には試験内容に応じた治具(試験対象となるアイテムの位置決めや固定等を行う補助器具)が必要となり、試験内容が変化するのに伴って専用の治具の販売が必要となるほか、メンテナンス等のサービスが必要となる。さらにはこのような試験機を顧客側で導入することにより、その後の試験需要への対応が容易になり、受注増に向けた好循環が期待できる。このような形で信頼性試験に関するビジネスのストック性が高まり、事業拡大のレバレッジになることへの期待が大きい。同社としてはこのような機会をビジネスチャンスとして事業の育成・拡大を図っていく。なお、装置事業への進化の軸となるパワーエレテクノセンターの売上目標としては、2027年6月期に8億円以上、以降年1億円ペースで増収を図り、2030年6月期に12億円以上を目指す。

b) AIのフル活用による経営進化
AI技術を分析・解析向けに活用した事業化を進めている。具体例として、AIを活用した、はんだクラックの3D非破壊解析とX線のボイド検査技術を画像解析アプリとして商品化し、AI画像検査プラットフォーム「Qualap」として提供している。現在4件の特許登録済であるほか、これまでの実績としてAIクラック試験の受託件数72件(2026年6月期)、ボイド解析ソフト販売37ライセンス(2020年6月期〜2026年6月期)を擁する。現在は自動車関連の試験が中心であるが、この解析技術を一般化するとともに性能向上を図ることで資源循環を目的とした非破壊技術の向上等に向けた試験需要が高まり、新規事業としての拡大余地が高まることが期待される。このほか、フィジカルAIによる標準化や24時間稼働化、AIナレッジマネジメントシステムとしての活用、人事評価制度の改革に向けた活用等を検討している。

c) 先端半導体パッケージに向けた新技術の開発
「MAPプロジェクト」として同社独自開発のコーティング技術である「ユニバーサルめっき法」を活用し、新たなコーティング技術を開発し、用途を拡大するべく、引き続き研究開発を推進する。「ユニバーサルめっき法」では、高品質で緻密な機能性膜の形成が可能となり、通信、半導体、医療、航空宇宙、再生可能エネルギーといった各分野で必要とされる被膜性(導電性、絶縁性、耐摩耗性、耐薬品性等)に対応した機能性膜が提供可能となる。同社はこうしたコーティング技術を低コストかつ安定供給可能な、環境配慮型技術として確立することを目指す。低環境負荷のユバーサルめっきを用いた次世代半導体向けのガラスコア基板の実用化開発については令和8年度の「GoTECH補助金」の対象として補助金を得ており、研究開発及びその先の実用化に向けた支援体制も得られている。今後のスケジュールとしては、2028年6月期下期から2030年6月期にかけての期間を製造技術開発、量産試作フェーズとしてテスト用サンプルを作製するとともに顧客による性能同等性評価、検証を行う計画としている。

(4) 販売強化
事業領域の拡大に向けて、グローバル展開と国内拠点網の拡充を図る。グローバル展開については将来の国内市場の縮小リスクに備えて、海外での成長により補完する考えだ。具体的にはアジア圏での拠点構築を検討しており、当該拠点を成長市場への足掛かりとして確保する。国内拠点網の拡充については事業拠点として既存の東京・愛知・大阪・滋賀に加えて新たな事業拠点を検討する。具体的な場所は信頼性評価・微細加工の各事業の拡張予定に合わせて決定する。また営業拠点として既存の東京・愛知・大阪・熊本に加えて新拠点を検討する。今後の新規顧客や新規市場へのアプローチのしやすさを踏まえた立地を検討していく。

(5) 投資計画
2030年に向けた投資計画として、通常の事業運営に必要な投資とは別に戦略投資枠として30億円を設定する。資金調達方法として、手元の保有キャッシュで10億円、外部からの資金調達で15億円、営業活動によるキャッシュ・フローのうち、戦略投資への利用枠として5億円を確保する。投資方針として、「成長投資」「M&A」「株主還元」「財務健全性」を設定した。

成長投資については試験・解析や加工能力の拡張、及び新拠点設置に向けた資金とする。信頼性評価事業においては需要拡大の確度が高まった段階で新拠点の開設・拡充を含む成長投資を、微細加工事業においては事業機会の解像度が高まった段階で10億円以上の成長投資を検討する。具体的な投資規模は、それぞれの段階で確定するものと考えられる。M&Aについては隣接領域への展開や、技術・人材獲得面でのアライアンス強化を想定しており、事業シナジーや成長機会が認められる案件を探索中である。候補が見つけられた場合には機会を逃さず機動的に投資を実行する方針だ。株主還元については今後の利益水準や投資計画を考慮しつつ、適正な水準で対応していく。財務健全性については設備投資面において、キャッシュ・フローの回収期間を5年間と見込まれるものに投資するという審査基準を社内に設ける。今後も財務健全性を維持することで金融機関に対する信用維持・向上を図っていく。



■株主還元策

2027年6月期の配当は前期と同額の1株当たり47.0円を予定

同社は配当政策について、事業成長に向けた投資余力の確保と安定的な株主還元の両立を基本ポリシーとして継続しており、2027年6月期においてもこの方針に基づいた株主還元を行う考えである。2027年6月期の1株当たり配当金については前期と同額の47.0円を予定している。なお配当性向は28.0%となる見込みである。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)


《HN》

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