トレーダーズショップ
トップかごを見るご注文状況このページのPC版


フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/15 12:41, 提供元: フィスコ

大豊建 Research Memo(1):採算性重視の受注姿勢を継続、収益力の向上と株主還元強化が焦点

*12:41JST 大豊建 Research Memo(1):採算性重視の受注姿勢を継続、収益力の向上と株主還元強化が焦点
■要約

大豊建設<1822>は、土木事業及び建築事業を中核に、高い技術力を背景とした都市インフラ整備や地中構造物の分野に強みを持つ中堅ゼネコンである。トンネル工事や地下空間の開発に強みがあり、なかでも、「シールド工法」をはじめとする地下トンネル工事に関しては、都市部における限られた空間での施工技術、安全対策、環境負荷低減に配慮した対応力に定評がある。また、土木分野に強みを持ちながら建築分野でも一定の存在感を示しており、とりわけ物流施設や再開発案件においては、顧客ニーズに応じた柔軟な設計・施工体制を構築している点が特徴である。大手ゼネコンとは異なり、選択と集中により得意分野に特化した競争戦略を採用することで、堅実な収益基盤を築いている。近年では、環境配慮型の施工技術やICTを活用した施工管理の高度化にも注力しており、安全性と効率性を両立する取り組みが評価されている。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.5%減の139,818百万円、営業利益が同24.6%増の6,895百万円、経常利益が同40.9%増の7,332百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同23.5%増の4,557百万円となった。売上高は、同社単体では土木事業・建築事業ともに完成工事高が増加したものの、子会社の完成工事高減少により小幅な減収となった。利益面では、売上総利益率が前期の9.2%から10.8%へ改善し、採算を意識した工事運営や建築事業の収益性改善により営業増益を確保した。なお、営業利益は期初計画の5,200百万円及び2026年2月に修正した6,300百万円をも上回って着地した。経常利益は営業利益の増加や為替差益の計上により大幅増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も固定資産売却益や投資有価証券売却益の計上が寄与した。受注高は前期比10.9%減の134,560百万円となった。土木事業ではニューマチックケーソン工事を含む単独・スポンサー工事を中心とした新規受注や、JVサブ大型工事の設計変更などが寄与した。建築工事は前期に大型案件を獲得していた反動や期ずれ案件の影響もあり前期比では減少した一方で、施工体制や施工時期を考慮しながら受注を進めており、計画上はおおむね想定に沿った受注水準を確保したと見られる。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比12.3%増の157,000百万円、営業利益が同1.4%減の6,800百万円、経常利益が同9.1%増の8,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.1%増の4,700百万円となる見通しである。受注高は前期比4.2%増の140,200百万円を計画している。土木事業は前期に受注が大きく増加した反動で減収も、建築事業は期ずれ案件の影響もあり回復する見通しだ。売上高は土木、建築ともに増収を見込んでおり、ニューマチックケーソン工法やシールド工法を中心とする既存案件の進捗、(株)森本組の期ずれ分の進捗が寄与する見通しである。利益面では売上総利益は増加するものの、人件費のベースアップに伴う販管費の増加により営業利益は小幅減益を見込む。採算性と施工体制を重視した受注姿勢を継続し、収益性を伴う成長を目指す。

3. 中長期の成長戦略
同社は2023年5月に2028年3月期までの中期経営計画を公表したが、計画開始してから2年間で建設資材及び人件費の急騰、品質確保にかかる追加費用の発生などにより、採算が大きく悪化し、業績目標が未達となった。こうした状況を受け、基本方針自体は維持しつつも、外部環境の変化に対応できるように内容の見直しが行われ、2025年5月に中期経営計画のアジャスト版を新たに公表した。中期経営計画の定量目標は、2028年3月期に売上高1,600億円、営業利益67億円、営業利益率4.2%、当期純利益46億円、ROE7%程度を掲げている。2026年3月期は営業利益69.0億円、営業利益率4.9%、当期純利益45.6億円となり、利益面では2028年3月期計画値を上回って着地した。今後は、受注マネジメントや現場支援体制の強化により、改善した利益水準を安定的に再現できる体制づくりが焦点になる。重点施策では、人的資本経営の強化、DX・研究開発、得意技術による基幹事業の拡大を進める。新基幹業務システムや自社生成AI「大豊AI」の活用、ニューマチックケーソン工法の掘削自動化、低炭素コンクリート技術の開発などを進め、生産性向上と受注競争力の強化を図る。なお、同社は株主還元の強化に向けて配当方針を転換しており、2025年3月期以降は従来の株主優待を継続しつつ、配当性向を70%以上に引き上げた。2026年3月期は年間配当34.0円、2027年3月期は年間配当38.0円を計画している。収益力の向上、成長投資、政策保有株式の縮減、株主還元、IR活動の強化を進め、利益成長と資本効率向上を両立させることが中長期の注目点である。

■Key Points
・土木事業では高度な独自施工技術を有しており、他社との差別化を実現
・2026年3月期は建築事業の収益性改善により営業増益、会社計画を上回って着地
・2027年3月期は売上回復の見通し、採算性重視の受注姿勢を継続し収益基盤強化へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)


《HN》

記事一覧

  • 2026/06/24 23:23:【市場反応】米5月新築住宅販売件数は1月来で最低、ドル買い後退
  • 2026/06/24 21:53:【市場反応】米1-3月期経常赤字は拡大もドル買い継続
  • 2026/06/24 19:45:テクセンドフォトマスク---26年3月期は増収増益、外販フォトマスク需要の拡大が寄与
  • 2026/06/24 19:14:欧州為替:ドル・円は上値が重い、ユーロ・円は軟調
  • 2026/06/24 18:49:24日の香港市場概況:ハンセン指数は6日ぶり反発、半導体を中心に買い戻しが優勢
  • 2026/06/24 18:40:24日の中国本土市場概況:上海総合は反発、ハイテク株が指数の上昇をけん引
  • 2026/06/24 18:26:欧州為替:ドル・円は小じっかり、ドル買い継続
  • 2026/06/24 18:15:日経平均テクニカル:続落、5日線が下向きに転換
  • 2026/06/24 17:30:東京為替:ドル・円はじり高、夕方にかけて上昇
  • 2026/06/24 17:25:欧米為替見通し: ドル・円は伸び悩みか、協調介入の思惑で上値は限定的
  • 2026/06/24 17:01:日経平均寄与度ランキング(大引け)〜日経平均は続落、東エレクやTDKが2銘柄で約371円分押し下げ
  • 2026/06/24 16:58:東証グロ−ス指数は小幅続落、米マイクロン決算控え積極的な買いは限定的
  • 2026/06/24 16:54:半導体関連株への売りが続き、一時69000円台割れ【クロージング】
  • 2026/06/24 16:35:日経VI:大幅に上昇、米マイクロン決算も警戒
  • 2026/06/24 16:30:東証グロース市場250指数先物概況:金利先高観を嫌気し続落
  • 2026/06/24 16:17:東証業種別ランキング:医薬品が上昇率トップ
  • 2026/06/24 16:13:新興市場銘柄ダイジェスト:ペルセウスが大幅に反発
  • 2026/06/24 15:58:東京為替:ドル・円はじり高、米金利高で
  • 2026/06/24 15:57:6月24日日本国債市場:債券先物は127円69銭で取引終了
  • 2026/06/24 15:56:パナHD、NSグループ、カドカワなど