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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/12 12:01, 提供元: フィスコ

フジ日本 Research Memo(1):2026年3月期は機能性素材事業が利益増けん引、事業構造転換が奏功し増収増益

*12:01JST フジ日本 Research Memo(1):2026年3月期は機能性素材事業が利益増けん引、事業構造転換が奏功し増収増益
■要約

フジ日本<2114>は、糖類事業・機能性素材事業・不動産事業を展開する食品素材メーカーである。世界で唯一、サトウキビを原料に酵素でイヌリン「Fuji FF」を製造する独自技術を持つ。2026年3月期は、機能性素材事業の売上高が糖類事業を上回り、精糖メーカーからフードサイエンスカンパニーへのポートフォリオ転換が着実に進展している。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で28,443百万円(前期比0.8%増)、営業利益で3,554百万円(同9.9%増)、経常利益で3,773百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で3,220百万円(同13.2%増)と増収増益となり、事業構造転換の成果が利益面に明確に表れた。機能性素材事業では、タイ・東南アジア大手ユーザー向けイヌリン販売の好調と連結子会社であるユニテックフーズ(株)の増収が寄与し、同セグメントの営業利益は28.1%増と急伸した。一方、糖類事業は2025年11月の約7年ぶりの値下げ改定と想定以上の物流費上昇が影響し、営業利益は0.9%減となった。親会社株主に帰属する当期純利益には投資有価証券売却益518百万円の計上も押し上げ要因として加わった。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高29,700百万円(前期比4.4%増)、営業利益3,300百万円(同7.1%減)、経常利益3,500百万円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,500百万円(同22.4%減)と増収減益を見込んでいる。売上は機能性素材事業がけん引し増収を見込む。一方、利益面の主な押し下げ要因は、エネルギー価格・原材料価格の高止まりと円安による製造コストの増大であり、最終利益は前期の投資有価証券売却益の反動も大きく影響する見通しである。機能性素材事業では、新機能性表示を活用した国内新規顧客の獲得や、海外健康市場へのさらなる拡販を見込むほか、タイにおけるキャッサバでん粉製造販売事業の本格化を進める。

3. 成長戦略
同社は長期ビジョン「NEXT VISION 2040」において、2038年度(2039年3月期)に経常利益100億円・ROE12%以上・海外比率40%以上を掲げ、そのファーストステージとして中期経営計画「CHANGE 2028」を推進している。最終年度となる2029年3月期に売上高360億円・経常利益36億円以上・ROE9.0%以上を目標としている。5年間の投融資枠180億円のうち約6割は既に消化済みで、残余分を機能性素材の海外展開・フードサイエンス領域・M&Aへ配分する方針だ。機能性素材事業ではタイ工場の生産能力を約1.5倍へ増強中であり、需要拡大に対応した供給体制の整備と採算性改善が見込まれる。さらに、キャッサバでん粉事業への参入により、酵素技術を生かし新たな収益柱の育成を進めている。

4. 株主還元策
株主還元の基本方針としてDOE(株主資本配当率)3.5%以上の維持を掲げている。2026年1月には普通株式1株につき2株の株式分割を実施し、投資単位の引き下げによる流動性向上と投資家層の拡大を図った。分割後換算で、2025年3月期は年間17.0円(配当性向31.7%)、2026年3月期は18.0円(同28.7%)を実施した。2027年3月期は19.0円(同39.0%)を予定する。配当に加えて、株主優待として自社製品の贈呈も実施しており、株主還元を強化している。

■Key Points
・世界唯一のイヌリンの製造技術と、糖類に依存しない事業ポートフォリオが強み
・2026年3月期は、機能性素材事業の売上が糖類事業を上回り、過去最高水準の利益を達成
・2027年3月期は、機能性素材事業を中心に増収を見込む一方、コスト増を織り込み減益を予想
・「CHANGE 2028」で攻めへの転換、2040年度の経常利益目標100億円への布石

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔)



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