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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/25 11:04, 提供元: フィスコ

ミラティブ Research Memo(4):「ゲーム実況特化×コミュニケーション」のポジショニングで差別化

*11:04JST ミラティブ Research Memo(4):「ゲーム実況特化×コミュニケーション」のポジショニングで差別化
■事業概要

3. ポジショニング
ミラティブ<472A>は、ライブ配信市場において「ゲーム実況特化×コミュニケーション」という独自領域でポジションを確立しており、双方向型コミュニティを基盤とする点が特徴である。さらに、配信者満足度を重視した設計と低コストのコンテンツ開発モデルによって、競争優位性を形成している。

(1) 「ゲーム実況特化×コミュニケーション」
同社は、プロ配信者中心のメディア型プラットフォームとは異なり、アマチュア配信者同士の交流を主軸としたコミュニティ型のサービスを展開している。PC・コンソール中心のグローバルな競合との差別化を図り、同社はスマートフォンゲーム実況に特化することで、日本最大級のスマートフォンゲーム実況基盤を構築している。この「ゲーム実況特化×コミュニケーション」の領域において、同様のサービスを展開する競合は相対的に少なく、独自のポジションを確立している。

(2) 配信者満足度優先
同社は、視聴者数の最大化よりも、個々の配信者の満足度を重視したアルゴリズム設計を採用している。新規配信者であっても適切に視聴者が配分される環境を整備することで、配信継続率の向上を強力に促し、コミュニティの長期的な活性化を実現している。こうしたファンの増加、収益機会、配信の盛り上がりといった配信者ニーズを満たす設計がユーザー定着率の向上及び課金行動の継続性を支えている。

(3) 低コスト開発モデル
同社のライブゲーミングは、1タイトル当たりの平均開発コスト約29百万円と、一般的な大型スマートフォンゲームと比較して低コストである。ユーザーの主目的がゲーム実況とコミュニケーションにあるため、高度なグラフィックを必要としない点が低コスト化の主要因となっている。こうした開発体制により、多様なタイトルを継続的に投入することが可能となり、コミュニティの新鮮維持と収益機会の拡張に寄与している。また、大規模ゲーム開発とは競合しない独自領域を確立することで、差別化されたビジネスモデルを形成している。


限界利益率は70%を超え、売上が利益に直結しやすいビジネスモデル

4. 収益構造
同社の収益構造は、独自のコミュニティ特性を背景とした高い収益効率と安定性を特徴としている。主な要素として、(1)低いユーザー獲得コスト、(2)ストック型のミルフィーユ売上構造、(3)双方向経済圏による低還元モデル、(4)高い限界利益率が挙げられる。

こうした配信者主体のユーザー構造は、ユーザー間の密接な交流やコミュニティ形成を促進しており、サービス内での自律的な経済循環を生み出すことで、課金継続率の向上と収益の長期安定化に直結している。

(1) 低いユーザー獲得コスト
同社はゲーム会社との連携を軸とした送客モデルを構築している。多数のタイトルとの協業実績があり、2024年のゲーム売上上位30社のうち26社で配信イベント導入実績を持つ。これにより広告宣伝費を抑制しながら効率的な新規ユーザー獲得を実現している。

(2) ストック型のミルフィーユ売上構造
同社の売上は、入会年度別に重層的に積み上がる「ミルフィーユ構造」を形成している。高いユーザー継続率を背景に、過年度に獲得したユーザーの売上が安定的に層状となって残存するため、新規獲得の増減に左右されにくいストック型モデルを確立している。この構造により、売上は継続的な増収基調を維持しやすく、収益の安定性が高い特性を持っている。

収益拡大はユーザー数の増加だけでなく、ARPPUの上昇もけん引している。ギフト消費やライブゲームへの参加、イベント施策といった課金機会の拡大により、1人当たりの課金額が上昇している。加えて、月間10,001円以上課金するロイヤルユーザーも継続的に増加しており、単価の高いユーザー層の積み上がりがさらなる収益の安定性と質の向上に寄与している。このように、ユーザー基盤の拡大とARPPUの向上が同時に進行することで、売上成長の再現性が高い収益構造を確立している。

(3) 双方向経済圏による低還元モデル
同社の収益は、視聴者から配信者へのギフト課金を中心に構成されており、売上の約90%を占めている。視聴者が配信者へ贈ったギフト(コイン)が配信者間で再消費されることで、サービス内での経済循環が生まれている。コミュニケーションを主目的とする配信者が多く、収益化を第一目的としない一般個人(アマチュア)の比率が高いため、配信者への還元率は売上の約9%である。

他社のサービスとの還元率の比較では、収益化を目的とするプロから一般個人双方による動画投稿サービスは約55%、趣味層からプロ・セミプロまでを対象とするライブ配信サービスは約48%、プロ・アマチュア双方が投稿するブログサービスは約83%である。これらと比較して、配信者還元コストを大幅に低く抑えられていることが、同社の収益効率の高さの源泉となっている。

(4) 高い限界利益率
同社の2025年12月期第4四半期の限界利益率※は72.2%(前年同期比7.7ポイント上昇)となり、売上高の拡大と利益率向上が同時に進む事業特性が確認できる。サーバー費用やデジタルコンテンツ開発費などの固定費負担が相対的に抑制されていることに加え、変動費である配信者への還元水準が低いコスト構造が背景にある。さらに、Web決済導入等による決済手数料の低減施策も進展しており、限界利益率は上昇基調にある。この結果、売上成長が利益に反映されやすい収益構造が確立されており、2024年12月期第3四半期に四半期営業利益が黒字化して以降、黒字基調が継続している。

※ 限界利益率は、売上高から変動費を差し引いた限界利益が売上高に占める割合を指す。売上増加分がどの程度利益に転換されるかを示す指標であり、同率が高いほど売上拡大が営業利益の増加に反映されやすい構造であることを意味する。なお、本レポートにおける変動費・固定費の分類及び限界利益率は、同社開示資料に基づき弊社が独自に試算したものであり、同社が公表している定義とは異なる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)


《HN》

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