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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/03/24 15:17,
提供元: フィスコ
小田原エンジニアリング:モーター巻線機の国内トップ企業、短納期案件で足元補完し中長期成長へ
*15:17JST 小田原エンジニアリング:モーター巻線機の国内トップ企業、短納期案件で足元補完し中長期成長へ
小田原エンジニアリング<6149>は、モーター製造工程においてコイル(銅線やアルミ線)を自動で巻く装置「巻線機」を主力とする産業機械メーカーで、同分野で国内トップクラスのシェアを持つ。顧客仕様やニーズに合わせた専用設備を設計・製造する完全受注生産型ビジネスを確立しており、家電、自動車、産業機械など幅広い分野のモーター製造設備を提供する。高速かつ高精度でコイルを巻く全自動巻線システムが中核技術であり、量産品や新製品向けの設備開発力の高さが強みだ。モーターは家電や自動車に加え、ロボットやドローンなどにも使用される基幹部品であることから、同社は電動化社会を支える装置メーカーとして位置付けられる。
事業は主に「巻線機事業」と「送風機・住設関連事業」で構成される。主力の巻線機事業ではxEVモーター・自動車電装品や家電、産業機器向けの巻線設備を中心とした生産ラインを提供しており、顧客仕様・ニーズに応じて設備を開発する完全受注型モデルを採用している。送風機・住設関連事業では、産業機械向け軸流ファンや住宅換気装置、浴室照明器具などを製造・販売する。売上の大半は巻線機事業が占めるが、送風機・住設関連事業は市場規模が大きく、今後の拡販余地がある分野といえる。
2025年12月期の通期業績は売上高182.3億円(前期比38.4%増)、営業利益30.5億円(同2.6倍)となり、売上・利益ともに過去最高を更新した。前期からずれ込んでいた設備案件の売上計上やxEV用モーター巻線システム案件の納入が増収の主因だ。同社は案件を売上計上するタイミングによって四半期や通期単位で業績が変動しやすい特徴 があるが、2025年は前期案件の計上、翌期予定案件の前倒し計上が業績を押し上げた。また生産増による固定費吸収やコスト削減が進んだことで利益率も改善した。
セグメント別では巻線機事業が売上135.8億円(前期比49.4%増)、セグメント利益33.3億円(同2.1倍)と大きく伸長した。xEV用モーター巻線システム案件の売上計上に加え、予備品や消耗品などの販売が好調だったことが寄与している。一方で受注面では、自動車業界におけるxEV投資の先送りや新型車開発計画の見直しにより設備投資判断が慎重化している。送風機・住設関連事業は売上46.5億円(前期比14.0%増)、セグメント利益1.3億円(同46.8倍)と回復した。工作機械や産業ロボット向け軸流ファンの需要回復に加え、集合住宅向け浴室照明器具や循環ファン型換気システムが堅調に推移したことが要因だ。
2026年12月期の会社計画は売上高140億円(前期比23.2%減)、営業利益11.7億円(同61.7%減)と減収減益を見込む。前期に大型案件の売上が集中した反動に加え、自動車メーカーによる設備投資の先送りが影響するためだ。特にxEV市場では需要動向の不透明感から設備投資判断が遅れている。ただし同社は短納期案件への対応力強化や新用途開拓を進めており、今後の受注拡大を狙う。
モーター需要は自動車だけでなくロボットやドローンなどでも拡大が見込まれる。日本市場は成熟しているが、中国や北米、インドなどでは電動化の進展により市場拡大が続く。特に中国は世界最大のモーター市場であり、xEVや家電・産業機器向け需要が大きい。今後はこれらの地域での需要取り込みが成長の鍵となる。
同社の競争優位性は高い技術力と開発力にある。巻線機はモーター性能に直結する工程であり、高速・高精度な巻線技術が求められる。同社は長年の技術ノウハウを背景に顧客仕様・ニーズに応じた製品開発が可能で、製品開発スピードの速さも強みだ。競合には欧州や中国メーカーがあるが、同社はスピードや品質面で差別化している。
株主還元は配当性向20〜30%を目安としており、2025年12月期は年間配当70円(前期比20円増)を実施した。2026年12月期は減益見込みながら配当を維持する方針で、安定配当を重視する姿勢が示されている。
総じて同社は巻線機というニッチ分野で高い技術力を持つ装置メーカーであり、xEV投資の遅れによる短期的な業績変動はあるものの、電動化やロボット化の進展に伴うモーター需要拡大の恩恵を受けるポジションにある企業といえる。
《RS》
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