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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/01/16 11:01, 提供元: フィスコ

クラボウ Research Memo(1):2026年3月期中間期は減収減益となるも、計画を上回る利益水準を確保

*11:01JST クラボウ Research Memo(1):2026年3月期中間期は減収減益となるも、計画を上回る利益水準を確保
■要約

1. 事業内容
クラボウ<3106>は、1888年創業の大手繊維メーカーである。創業以来、常に時代の先を見据えながら、新しい価値の創造に挑み続けてきた。現在は、暮らしを支える繊維、自動車、住宅、バイオメディカル、食品や、産業を支えるエレクトロニクス、半導体、環境プラントなど幅広い分野に事業を展開している。また、創業時より社会貢献活動に積極的に取り組んできた実績があり、今後もサステナビリティを意識した事業活動を進め、健康、快適、環境への配慮などをテーマとした商品・技術開発を追求し、より良い未来社会の創造に向けて貢献していく。新たにスタートした中期経営計画「Accelerate’27」では、成長性が期待できる注力事業に経営資源を集中し、事業ポートフォリオ改革をさらに加速する方針だ。

2. 価値創造プロセス
同社の価値創造プロセスは、蓄積してきた技術やノウハウ、人財等の経営資源を社会課題の解決や成長市場へと展開し価値を創出するものである。これまでの歴史を振り返っても、樹脂加工技術を住宅用建材や自動車部材へと展開した化成品事業、さらには染色工程での「色」制御の自動化から色彩管理及び検査・計測へと広がったエレクトロニクス事業(環境メカトロニクス事業)など、これらは祖業である繊維事業から派生したものである。また、不動産事業の安定収益や技術研究所を中心とするR&D体制なども価値創造を支えている。現在は、半導体製造関連市場、ライフサイエンス・テクノロジー領域(自動化・制御装置市場、メディカル市場、食品市場などで構成)、高機能フィルム、ロボットビジョンといった収益性が高く成長が見込める分野へ経営資源を集中し、社会課題の解決と持続的な成長を同時実現する価値創造ストーリーを描いている。

3. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比3.6%減の69,245百万円、営業利益が同7.3%減の3,929百万円と減収減益となったが、計画を上回る利益水準を確保した。売上高はAIやデータセンターなどの先端用途以外の半導体市場の低迷による「化成品事業」の減速、並びに構造改革を進める「繊維事業」の落ち込みにより減収となった。一方、「環境メカトロニクス事業」は順調に伸び、「食品・サービス事業」及び「不動産事業」も堅調に推移した。利益面でも減収や構造改革費用などにより減益となったが、予想比では各事業が堅調に推移した。また、政策保有株式の売却益の計上により、親会社株主に帰属する中間純利益は大幅な増益を実現した。

4. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績について同社は、売上高及び営業利益の期初予想を据え置き、それぞれ前期比4.4%減の1,440億円、同22.4%減の80億円と見込んでいる。構造改革中である「繊維事業」や半導体市場の市況回復の遅れを見込む「化成品事業」が減収となるほか、安城工場閉鎖に伴う異常操業費用や労務費等のコストアップを見込み営業減益となる(安城工場の閉鎖は7月末に完了済み)。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益については政策保有株式の売却益により増益を確保する。年間配当は、前期比102円増となる1株当たり282円(中間141円実施済、期末141円)を予定している。

5. 中期経営計画「Accelerate’27」の基本方針
「長期ビジョン2030」※(2020年3月期〜2031年3月期)の第3ステージにあたり、「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」という基本方針の下、半導体製造関連やライフサイエンス・テクノロジー領域等を注力事業とする事業ポートフォリオ改革をさらに加速し、最終ステージでの仕上げにつなぐ考えだ。最終年度(2028年3月期)の連結売上高1,650億円、営業利益130億円を目標に掲げ、営業利益率は7.9%(2025年3月期比1.1ポイント上昇)に改善を図る。加えて、資本収益性を重視した資源配分と財務・資本政策の実施によりROICを7.9%(同2.4ポイント上昇)以上、ROEを10.0%(同2.4ポイント上昇)以上に高める計画だ。また、株主資本配当率(DOE)4%、及び3年間で200億円の自己株式の取得を目標値として設定している。

※ 2030年の目指す姿として、「イノベーションと高収益を生み出す強い企業グループ」を掲げている。

■Key Points
・2026年3月期中間期は減収減益となるも、計画を上回る利益水準を確保
・2026年3月期通期は売上高・営業利益の期初予想を据え置き、最終利益は上方修正
・中期経営計画では事業ポートフォリオ改革をさらに加速し、利益率や資本収益性の改善を推進
・株主還元については株主資本配当率(DOE)4%、3年間で200億円の自己株式取得を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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