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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/09 13:04, 提供元: フィスコ

システムサポート Research Memo(4):2025年6月期は計画を上回り過去最高を連続更新

*13:04JST システムサポート Research Memo(4):2025年6月期は計画を上回り過去最高を連続更新
■業績動向

1. 2025年6月期の業績概要
システムサポートホールディングス<4396>の2025年6月期の連結業績は、売上高で前期比22.3%増の26,938百万円、営業利益で同32.8%増の2,218百万円、経常利益で同28.7%増の2,244百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.0%増の1,457百万円と2ケタ増収増益が続き、過去最高業績を連続更新した。2025年1月に上方修正した計画に対しても売上高、営業利益、経常利益で上回って着地した。

人材不足への対応や生産性向上に取り組む企業のDX投資意欲が引き続き旺盛で、主力のクラウドインテグレーション事業を中心に新規及び既存顧客の受注が好調に推移したほか、旺盛な需要に応えるための人員体制の強化が計画どおりに進んだことも高成長を後押しした(新卒採用は計画比2名増の135名、キャリア採用は同28名増の150名)。

利益面では、売上構成比の変化や増収効果によって売上原価率が前期の72.3%から72.1%に低下し、売上総利益は同23.2%増の7,503百万円となった。販管費は人件費や成長投資、持株会社体制への移行費用等を中心に同19.6%増加したが、増収効果により販管費率は同0.5ポイント低下した。この結果、営業利益率は前期の7.6%から8.2%に上昇した。


クラウドインテグレーション事業は30%台の増収増益に
2. 事業セグメント別動向
(1) クラウドインテグレーション事業
クラウドインテグレーション事業の売上高は前期比34.6%増の9,717百万円、営業利益は同32.1%増の1,542百万円と大幅増収増益が続いた。ServiceNowや主要クラウド基盤の移行・利用支援サービスの旺盛な需要を取り込むべく、サービス提供体制の強化に取り組んだことが高成長につながった。売上総利益も増収効果で同33.1%増の2,849百万円と高成長が続いたが、売上構成比の変化(ServiceNowの売上構成比が前期の33.1%から30.8%に低下)により売上総利益率は前期の29.7%から29.3%と若干低下した。

主力サービスのServiceNow関連は、売上高が前期比25.1%増の2,991百万円、売上総利益率はライセンス販売の売上比率が低下したこともあって同1.2ポイント上昇の46.2%となった。既存顧客から利用サービス拡大のための追加発注が増加しているほか、ServiceNowからの新規紹介案件も継続的に入っており高成長につながった。同社はServiceNowの認定構築資格取得数で国内第3位※の陣容を抱え、豊富な導入実績と高い顧客満足度、サービス提供体制を構築している。ここ1〜2年でServiceNow製品を取り扱う競合先が増えてはいるものの、ServiceNowが提供する幅広い製品やソリューションに対応できる体制を構築している企業は少なく、同社の高成長が続いている要因となっている。

※ 2025年6月時点の資格取得数上位3社は、富士通<6702>1,520件、アクセンチュア(株)929件、同社が588件で全体の取得数は9,969件である。

クラウド基盤移行・利用支援サービス等(AWS、Google Cloud、Microsoft Azure)の売上高は同34.0%増の5,423百万円となった。内訳は、AWS関連が同27.9%増の3,161百万円、Google Cloud関連が同46.3%増の1,243百万円、Microsoft Azure関連が同40.0%増の1,019百万円とすべての分野で拡大した。企業側でITシステムの構築にあたってリスク軽減という観点から複数のクラウドサービスを利用するケースが増えており、マルチクラウドに対応できるサービス提供体制の構築を進めてきたことが高成長につながっている。マルチクラウドに対応している技術者やインフラ以外のレイヤー(アプリケーション開発、ERP、データベース構築等)の技術者も多いため、企業のITシステム全体の刷新等の案件を一貫して受注できることも強みである。

その他のクラウド導入支援の売上高は前期比67.5%増の1,301百万円と大きく成長した。Oracle Cloud Infrastructure関連やSnowflake※が大きく伸長した。また、移行後のリセール売上高(主にAWS)も顧客数の増加(クラウドインテグレーション事業の顧客数は同106社増の406社)により同31.1%増の3,265百万円となり、安定収益基盤として収益増に寄与した。

※ 米Snowflake社が開発・提供する「Snowflake」は、部署をまたぐデータや異なるクラウド環境のデータなどすべてのデータのハブとなり、データの一元管理が可能なクラウドベースのSaaS型データプラットフォーム。高いセキュリティ性機能と高速処理スピードが特徴で、データ分析ツールやBIツールとシームレスに連携するよう設計されている。AI・ビッグデータ分析などを行う企業向けを中心に急速に普及している。同社では2022年より取扱いを開始した。

(2) システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業の売上高は前期比13.5%増の13,362百万円、営業利益は同830.5%増の126百万円となった。営業利益率が0.9%と低く見えるが、本社経費等のグループ共通の販管費を各セグメントの発生原価に応じて按分配賦しているためで、実際の収益性はもう少し高い水準となっている。売上総利益率では同0.8ポイント上昇の23.7%、売上総利益で同17.5%増の3,166百万円となった。2024年7月に子会社化したコミュニケーション・プランニングの業績(売上高718百万円、営業利益148百万円、のれん償却額28百万円)を子会社化した効果が大きい。既存事業ベースでは若干減収となったが、社内の技術者を需要が旺盛なクラウドインテグレーション事業にシフトしていることを考えれば、堅調に推移したと言える。

売上高の内訳を見ると、企業の活発なIT投資を背景にERP関連が前期比19.4%増の3,940百万円、DB関連が同14.1%増の1,920百万円、ITシステム開発が同10.4%増の7,500百万円とそれぞれ増加した。売上総利益率が同0.8ポイント上昇したが、コミュニケーション・プランニングで採算の良い大型ライセンス販売※を計上したことによる。

※ 地図・位置情報ソリューションで自治体向けにスポット案件を第2四半期に計上した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



《HN》

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