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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/06/30 13:33,
提供元: フィスコ
日東電工:ESGトップ企業に向けて成長軌道を維持、自社株買いで総還元性向は81.4%へ
*13:33JST 日東電工:ESGトップ企業に向けて成長軌道を維持、自社株買いで総還元性向は81.4%へ
【会社概要】
日東電工<6988>は、「新しい発想でお客様の価値創造に貢献する」という理念のもと、素材技術を核に産業と暮らしの課題解決に取り組む高機能材料メーカーである。同社は1918年の創業以来、自動車・輸送機器、住宅・住宅設備、社会インフラ、家電・電子機器など、多岐にわたる業界に対して、欠かすことのできない機能を持つ製品を開発・供給し続けてきた。電子部品製造工程で使用される「熱はく離シート」、スマートフォンや車載ディスプレイに使用される「広視野角偏光板」や「高耐久偏光板」、「透明粘着シート」、高密度配線が可能な「薄膜金属基板(CIS)」、核酸医薬品合成に使用される「核酸材料」など、グローバルトップシェアの製品を多数展開している。
また、同社はESGを経営の中心に置き、社会課題の解決と経済価値の創造の両立を図る姿勢を明確にしている。これまで築き上げてきた技術力を基盤に、環境保全や人類の健康に資する製品・サービスの創出を通じて、持続可能な社会の実現に寄与することを企業の使命と位置付けている。同社によると、現在では「ESGに貢献するプロジェクトにしか投資しない」ことを徹底しており、ESG経営が業務レベルに実装されている様子が伺える。こうした取り組みにより社会にとってなくてはならないESGトップ企業を目指している。
【2025年3月期決算概要】
2025年3月期の連結業績は、売上高が1,013,878百万円(前期比10.8%増)となり創業以来初の1兆円越えを達成した。利益についても営業利益が185,667百万円(同33.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は137,237百万円(同33.7%増)と大幅に増益なった。セグメント別売上では、ハイエンドスマートフォン向け組み立て用部材の採用拡大などによりインダストリアルテープセグメントが前期比5.3%増、ハイエンドノートPCやタブレット端末向け偏光板やデータセンターの高容量HDD向けCISの需要増などによりオプトロニクスセグメントが15.4%増となった。また、核酸材料が一部顧客の商用薬向け需要が増加したことなどにより、ヒューマンライフセグメントも6.1%増と成長した。財政面では親会社所有者帰属持分比率は79.0%(前期比0.3ポイント増)と引き続き高い財務健全性を誇っている。
なお、2026年3月期業績予想については、売上高984,000百万円(前期比2.9%減)、営業利益170,000百万円(同8.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期純利益125,000百万円(同8.9%減)を計画している。減収減益計画となるのは、為替レート前提を前期に対し約7円円高の146円/$で設定したことや、オプトロニクスセグメントにおいて、トランプ関税回避目的で当期分の需要を前期に取り込んだことで減収となることが主因である。
【成長戦略と株主還元】
同社は2023年度を初年度とする中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」を実行中である。本中計は、2030年に「ニッチトップクリエーターとして驚きと感動を与え続ける“なくてはならないESGトップ企業”」になるという将来像を実現するための実行計画として位置付けられている。同社は、これまで培ってきた「グローバルニッチトップ戦略」と「Nitto流ESG戦略」との統合を図り、社会価値と経済価値の両立を目指している。本計画の特徴は、成長をけん引する三つの重点分野「パワー&モビリティ」「デジタルインターフェース」「ヒューマンライフ」と、それらの交差領域にフォーカスを当て、多様な基盤技術の複合力を発揮する点にある。これにより、エネルギー変革や医療の進化、デジタル社会の高度化といったメガトレンドに対応しつつ、ニッチ市場でのトップシェア獲得を目指す。
財務目標については2025年度に営業利益1700億円、ROE15%達成を掲げているが、これまでの実績を勘案すると達成可能性は相応あると評価できる。また、非財務目標についても注力しており、従業員エンゲージメントスコア目標78ポイントに対して既に81ポイントに達しているほか、女性リーダー比率についても2025年度目標25%の達成が見えてきているとのことである。他方、株主還元についても強化している。2025年3月期の配当性向は28.6%であったが、2026年3月期は33.4%に引き上げる予定である。さらに、自社株買いについても実行する。2025年2月から8月にかけて800億円の自己株式取得を表明しており、総還元性向は81.4%に達する見込みである。
このように、ESGトップ企業に向けて事業面、組織面ともに着実に進展していることに加え、株主還元についても強化しており、今後の展開に大いに期待したい。
《HM》
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