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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/09/10 10:12, 提供元: フィスコ

垣間見えた未来(2)【中国問題グローバル研究所】

*10:12JST 垣間見えた未来(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「垣間見えた未来(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。


※この論考は8月31日の<A Glimpse of the Future>(※2)の翻訳です。


現実を受け入れ適応するのか、それとも否定し目を背けるのか
この2か月間に地球の未来を垣間見たと言えるだろう。気候変動は間違いなく起きており、その影響は甚大だ。ヒマラヤの土石流ほど衝撃的な事態はそう多くないが、猛暑は「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれ、欧州が今まさにそれを証明している。気候変動の影響を受けない国は一つもない。ただ、中国のような大きな国では地域によって気候の変化が異なる。中国気象局は気候変動に関する報告書を毎年発行している。中国では世界平均より速いペースで温暖化が進んでいるが、報告書によると、中国北部は南部より、中国西部は東海岸より速く温暖化が進行しているという。降水量も過去50年で明らかに増加しているが、降雨日数は減少している。集中豪雨が増加しているということであり、特に豪雨に耐性のない内陸部の都市では洪水が発生する可能性が高まる。チベットでの氷河融解で危険は明らかになったが、中国は南アジアと東南アジアの主要河川の源流域で大規模な水力発電所を建設しているため、今後地滑りが発生すれば、影響は地域を越えて広範囲に及ぶ可能性がある。

局地的な洪水などの突発的な事象であれ、生育期の不安定化による農地の喪失や作物の収穫量減少のような漸進的な現象であれ、異常気象が頻発すれば影響は連鎖的に広がる。アフリカや南アジアの一部では、凶作や環境の悪化・不安定化により、大規模な人口移動が起こるだろう。気候変動に伴うこのような大規模な移住は、特有の問題をもたらす。ユーラシア大陸南部での気候変動から逃れようとする人々の多くが目指す欧州はすでに移民問題に苦慮しており、気候変動が自国民に及ぼす深刻な影響を認識しつつある。

ドナルド・トランプや彼の取り巻きなど一部の人々は依然として気候変動を否定し、現在起きている変化から目を背けようとしている。率直に言って、単に電気自動車を購入したり飛行機の利用を減らしたりするだけでは、大した違いは生まれない。もちろん排出量の抑制は包括的な解決策の一部ではあるが、効果を発揮するには手遅れなのかもしれない。異常気象は今後増える一方だろう。来年の欧州の夏は今年ほど暑くないかもしれないが、だとしてもそれを否定することにはならない。温暖化が進むという長期的な傾向は極めて明確だ。中国は太陽光発電や風力発電の導入で大きな進展を遂げたが、依然として石炭火力発電や石油・ガスの輸入に大きく依存している。

中国では、気候変動への適応の過程で人口移動が起こるかもしれない。海面上昇と地下水資源の枯渇により、東海岸沿いの都市は地盤沈下の危険性が高まっている。上海は過去1世紀の間に1メートル沈下したと報告されている。現時点では魅力的な海沿いの物件も、今世紀末には水没している可能性がある。ネパールでの事象や、そうした巨大な力を前に人間は無力だという現実を踏まえると、そんな危険な地域への定住をそもそも認めるべきなのだろうか。洪水が発生しやすい他の平野や川沿いの地域についても同じことが言える。

気候変動の影響は、その国の過去の炭素排出量とはほぼ関係しない。ネパールの炭素排出量は世界の中では小さいが、今回の氷河融解で甚大な被害に遭った。夏がより長く暑くなり、冬がより短く暖かくなる可能性が高いが、そうなれば食糧生産、すなわち人間の最も基本的なニーズにも直接影響が出る。CO2排出量の削減は一つの解決策だが、この夏でわかったように、成果が現れるまでには時間がかかる。各国は、リスクの高い地域への定住を許可するかどうか決断を迫られるだろう。ネパールでリスクの高い渓谷への定住を制限・禁止する方が、中国で何百万もの人口を抱える都市を別の場所に移すより簡単かもしれない。


ネパールで大規模な鉄砲水 中国でも土砂災害(写真:新華社/アフロ)

(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://grici.or.jp/7536






《CS》

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