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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/08/20 16:44, 提供元: フィスコ

UTグループ:半導体向け好調で1Q業績は過去最高益、配当利回り4.5%だけでは評価できない独自モデル

*16:44JST UTグループ:半導体向け好調で1Q業績は過去最高益、配当利回り4.5%だけでは評価できない独自モデル
UTグループ<2146>の業績が好調に推移している。8月7日に発表された2027年3月期第1四半期決算は、売上高で前期比1.2%増の422億円、営業利益で同+42.4%の35億円となり過去の四半期営業利益を達成、半導体業界向けの人材サービスが好調に推移している。配当利回りも含めた株主還元にも積極的であり、配当利回りは4.5%となっている。

ただし、単なる「高配当銘柄」としてではなく、人的資本経営と株主還元を結び付けた独自モデルとして評価すべき企業であると感じる。配当利回り4.5%、年4回配当、配当性向100%という株主還元の強さが前面に出ているが、本質はその還元が一過性の財務政策ではなく、技術職社員の株主化を通じた離職率低下・採用費抑制策と一体化している点にある。

同社は製造派遣を主力とするため、設備投資負担が小さく、利益を配当に回しやすい事業構造を持つ。現預金285億円、有利子負債91億円、自己資本比率40.1%という財務状況を見る限り、現時点で配当性向100%が直ちに過大とは言いにくい。むしろ、資本効率を高める明確な意思表示として市場から評価されやすい。

事業面では、半導体業界派遣・紹介領域(旧セミコンダクター事業)が中期成長のけん引役となる可能性が高い。国内半導体投資の拡大、人材不足の深刻化、生成AIに伴う需要取り込みといった外部環境は追い風であり、2027年3月期第1四半期の売上高は101億円(前年同期比+8.1%)、月平均求人数は635件(同+149%)へと拡大しており、同社が「不足する現場人材を供給する会社」として位置付けられる点は投資テーマ性も強い。

2027年3月期見通しでは売上高は微増(1,700億円)ながら、営業利益・純利益は減益予想とされている。これは技術職社員への株式報酬費用の増加(年間10億円以上)や下期の募集費増加などの前提が影響しているが、2027年3月期第1四半期決算では募集費の抑制や単価交渉の進展により営業利益35億円(前年同期比+42.4%)と大幅増益で着地し、通期予想に対する進捗率は35%に達した。投資家から見ると、表面上の通期減益予想に対し足元の強い収益性をどう評価するかもポイントになる。費用が想定を下回れば上振れ余地は大きく、制度導入による採用・定着効果が数値で確認され始めるにつれ、評価の切り上がりが期待される。

中期計画では2029年3月期に売上高1,850億円、営業利益150億円、純利益91億円、配当15.2円を目指すとしており、利益成長と増配を同時に狙う姿勢は明確である。採用人数を大きく増やすのではなく、離職率(1Q月次平均3.9%)の安定維持や採用単価改善(1Qは30万円)、応募マッチング率向上(1Qは11.0%)によって技術職社員数を積み上げる戦略(1Q末は前Q末比+86名の純増へ転換)は、人材派遣業の収益構造の強化に合致している。

総じて、UTグループは高配当、半導体関連、人材不足、人的資本経営という複数の投資テーマを併せ持つ銘柄である。ただし、評価の核心は配当利回りの高さではなく、「社員株主化が本当に離職率低下と採用効率改善につながるか」にある。現時点では、インカム投資に加え、中長期の構造成長銘柄としても注目しておきたい。


《YS》

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