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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/01/05 11:03, 提供元: フィスコ

ケンコーマヨ Research Memo(3):2026年3月期中間期は原材料費の高騰が響き減収減益に

*11:03JST ケンコーマヨ Research Memo(3):2026年3月期中間期は原材料費の高騰が響き減収減益に
■業績動向

1. 2026年3月期中間期の業績概要
ケンコーマヨネーズ<2915>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比1.1%減の45,941百万円、営業利益で同39.1%減の1,944百万円、経常利益で同38.7%減の2,004百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同44.6%減の1,245百万円となった。売上高はコロナ禍で落ち込んだ2021年3月期中間期以来、5期ぶりの減収に転じたほか、営業利益、経常利益も3期ぶりの減益となった。中間期の業績計画は開示していないものの、売上高、各利益ともに計画を下回ったものと見られる。

売上高は前期に期間限定メニューなどで採用されていたタマゴ加工品やサラダ・総菜類が、顧客先のメニュー変更に伴って採用数が減少したこと、また、商品を統廃合(約1,300品目→約1,100品目)したことで販売機会が減少したことや、2025年4月より価格改定※したことで一部失注するケースがあったことも減収要因となった。販路別では外食業界向けや量販店、CVS向けがそれぞれ1%未満の減少と低迷した。同期間における外食業界の売上高は約7%増と伸長しており、業界全体の動きと比較しても低調だったことがうかがえる。一方で、製パン事業者、給食事業者向けについては若干の増収となった。

※ 原材料費、物流費、人件費の上昇に対応するため、2025年4月より全商品を対象に約3〜45%の値上げを実施することを発表した。

営業利益の増減要因については、増益要因として価格改定効果が830百万円あったが、生産効率の低下(工場の稼働率低下)で246百万円、販売数量減で314百万円、物流費の増加で167百万円、鶏卵や野菜等の原材料価格上昇で938百万円、固定経費等の増加で415百万円の減益要因があった。価格改定の効果については、第2四半期以降に浸透し始めたが、鶏卵相場の高止まりや野菜価格の高騰もあり、当初想定していたよりも効果が薄まった。四半期別では、価格改定効果は第1四半期が165百万円、第2四半期が665百万円に対し、原材料費上昇の影響額は第1四半期が536百万円、第2四半期が402百万円と、第2四半期だけで比較すると価格改定効果が上回ったことになる。固定経費等については、人件費や減価償却費が主な増加要因となった。

なお、計画比での下振れ要因は、メニュー変更に伴う採用数の減少や価格改定に伴う失注の影響が想定を上回ったこと、費用面では鶏卵相場の高止まりや野菜価格の上昇による原材料費の増加が挙げられる。また、当初は販売品目の削減による生産効率向上の増益効果を見込んでいたが、販売数量減で工場の稼働率が低下したため減益要因になったことも影響した。


調味料・加工食品事業は減益となるも総菜関連事業等は増益に
2. 事業セグメント別動向
(1) 調味料・加工食品事業
調味料・加工食品事業の売上高は前年同期比0.2%減の36,635百万円、セグメント利益は同47.4%減の1,403百万円となった。既述のとおり、期間限定メニューでの採用数が減少したほか、商品統廃合の実施による販売機会ロスや価格改定の浸透にタイムラグが生じたことなどもあって売上高は横ばい水準にとどまり、利益面では原材料費上昇等の影響で減益となった。

商材別の売上動向について、サラダ・総菜類は外食、量販店向けにポテトサラダが伸長したものの、パスタサラダやフィリング等の減少により、同1.5%減の10,501百万円と2期連続で減収となった。タマゴ加工品は、たまごサラダやゆでたまごがCVSや製パン事業者向けに好調を持続したものの、外食向けのスクランブルエッグがメニューの変更に伴って減少し、0.6%減の11,291百万円となった。マヨネーズ・ドレッシング類は10kgや1kg形態のマヨネーズが製パンや外食向けに増加したほか、ソース類も外食やCVS向けに増加したことで、同1.0%増の13,959百万円と増収基調が続いた。

トピックスとして、2023年に食品ロス削減に貢献する商品として開発・販売を開始したロングライフサラダ「FDF Plus」シリーズが、外食業界の活性化に貢献したとして「第29回 業務用加工食品ヒット賞」を受賞したほか、食品ロス削減の取り組みが評価され「第55回 食品産業技術功労賞(サステナビリティ部門)」を受賞した。「FDF Plus」シリーズは従来、冷蔵保存で製造日+15〜60日だった「FDF」の賞味期間を、美味しさを維持したまま同社のロングライフサラダで最長となる90日間まで延ばした商品で、ポテトサラダやマカロニサラダ、スパゲティサラダなど現在6種類の商品をラインナップしている。美味しさや品質を維持するため、材料の選定・配合から包装資材の選定、低温殺菌技術、保管方法に至るまで、ロングライフサラダの発売以降、45年以上培ってきた技術を結集して開発したものであり、ロングライフサラダでは今後も業界トップシェアを維持し続けるものと予想される。

(2) 総菜関連事業等
総菜関連事業等の売上高は前年同期比4.0%減の8,927百万円、セグメント利益は同14.9%増の515百万円となった。商品カテゴリーの拡大や高付加価値商品の開発など拡販に取り組んだものの、食品スーパー等の顧客先で内製化の動きが進んだ影響により、売上高は減収に転じた。一方、利益面では原材料価格の上昇を価格改定効果で吸収し、増益となった。

(3) その他
その他には連結子会社サラダカフェで展開するサラダ専門店の収益が含まれている。売上高で前年同期比12.7%減の378百万円、セグメント損失で20百万円(前年同期は1百万円の利益)となった。第2四半期に2店舗を閉店したことや、客数の減少が減収要因となった。利益面では、減収による売上総利益の減少に加えて野菜価格の高騰が減益要因となった。


有利子負債の削減が続き、財務基盤の強化が進む
3. 財務状況と経営指標
2026年3月期中間期末の資産合計は前期末比479百万円増加の64,559百万円となった。流動資産では、現金及び預金が159百万円減少した一方で、売掛金が629百万円、たな卸資産が560百万円増加した。固定資産では、投資その他の資産が204百万円増加した一方で、有形固定資産が671百万円、無形固定資産が121百万円減少した。

負債合計は前期末比428百万円減少の23,688百万円となった。買掛金が509百万円増加した一方で、有利子負債が368百万円、未払法人税等が529百万円減少した。また、純資産は同908百万円増加の40,871百万円となった。親会社株主に帰属する中間純利益の計上及び配当金支出により利益剰余金が891百万円増加した。

有利子負債の減少に伴い、自己資本比率は前期末比0.9ポイント上昇の63.3%、有利子負債比率は同1.2ポイント低下の12.5%とそれぞれ改善基調が続いたほか、ここ数年は大型の設備投資がなかったこともあり、ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)も100億円を超えるなど財務基盤の拡充が進んだと言える。2025年3月期からスタートした中長期経営計画では、工場の改修・再編も含めた成長投資を積極的に実施する方針を明らかにしており、手元キャッシュはこうした成長投資や株主還元などに充当する方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



《HN》

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